派遣会社のコンプライアンス確認は、書類があるかだけでなく、取引時点に適用される制度と実際の運用が一致するかを確認する作業です。年度更新や組織変更の予定も含め、買収前と買収後の担当を決めて点検します。
制度の適用日と自社の対象をそろえる
厚生労働省の業務取扱要領は、2026年10月1日適用版が公表されています。確認時には版と適用日を記録し、許可更新、変更届、派遣契約、台帳など自社に関係する項目を抽出します。改正案や施行待ちの制度と、すでに適用される制度を分け、すべての会社へ同じ変更が必要だと判断しないようにします。
待遇決定方式、対象者、賃金資料の年度、教育訓練の実績、情報提供の内容を照合します。年度が変わった資料を使い続けていないか、責任者の交代が記録へ反映されているかも確認します。個人情報は取得時の目的、アクセス権限、委託先の管理まで追い、システム移行時の確認事項へつなげます。
適用時点を残す点検台帳
| 確認対象 | 用意する資料 | 確認する質問 |
|---|---|---|
| 許可と事業所 | 許可証、更新・変更予定、責任者の配置記録 | 取引形態と事業所変更に必要な手続を確認したか |
| 契約と待遇 | 個別契約、台帳、待遇方式、年度別賃金資料 | 契約対象者と実際の運用が一致するか |
| 教育と情報管理 | 教育実績、公開情報、個人データの管理手順 | 是正事項と次回更新の担当・期限を決めたか |
表は横にスクロールできます。表の領域にフォーカスして左右キーでも移動できます。
確認済みと未解決を分けて引き継ぐ
買い手へは確認日、根拠資料、未解決事項、対応予定を示します。確認済みとする範囲は資料と実態を見た範囲へ限定し、制度全体への適合を一括で保証しないようにします。取引形態による許認可や雇用の扱い、是正の方法は、管轄労働局や専門家へ確認した上で契約とPMI計画へ反映します。
まず取り組むこと
現在使っている様式や通達の版を一覧にし、対象年度と適用日を点検してください。自社の実績資料に対応する箇所を付け、未解決事項の確認先と期限を決めます。
譲渡企業側の費用はどのように考えるべきですか
手数料負担は譲渡後に手元へ残る金額に影響します。当センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただかない設計としており、検討初期から相談しやすい体制を重視しています。

