特定の派遣先への依存が高い会社を売却する際は、集中度の数字だけでなく、その取引が続く条件を説明します。売上と粗利の集中、更新期限、複数拠点の関係、担当者への依存を分け、主要派遣先を失った場合に必要な対応を整理しましょう。
会社・企業グループ・拠点を分けて集計する
同じ企業の複数拠点を別顧客として数えると、実際の依存が見えにくくなります。請求先の法人別、企業グループ別、就業拠点別の表を作り、取引を決める窓口が共通かどうかを確認します。名前を伏せる初期資料でも、同じグループに属する番号をそろえます。
売上の構成比と粗利の構成比は別に算出します。高売上でも採用や送迎費が大きい派遣先、少ない売上で粗利の多くを支える派遣先では、交渉上の確認事項が異なります。集計期間と原価範囲を明記します。
集中リスクと継続条件の確認表
主要派遣先について、基本契約、個別契約、更新・解除の条件、単価交渉、発注履歴を整理します。長年の関係だけを継続の保証とせず、買収後の担当交代や取引方式に関連する条件を契約担当へ確認します。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選択して左右キーで確認できます。
| 確認するリスク | 資料と根拠 | 次の確認行動 |
|---|---|---|
| 収益集中 | 法人・グループ・拠点別売上と粗利 | 集計対象と原価範囲を合わせる |
| 契約終了・変更 | 更新、解除、単価、発注履歴 | 契約担当と期限・手続を確認する |
| 窓口への依存 | 担当者、判断経路、対応履歴 | 代替担当と顧客連絡の条件を整える |
| 終了後の負担 | 固定費、待機、再配置の条件 | 仮定収支と確認済み受注を分ける |
担当者依存とサービス依存を区別する
代表者の個人的な関係で受注しているのか、特定職種の採用力や対応品質が選ばれているのかを資料から説明します。苦情対応、欠勤補充、更新交渉の窓口が一人に集中しているなら、代替担当と履歴の共有方法を用意します。
派遣先が複数の部署から発注していても、購買部門の判断一つで取引全体が変わる場合があります。意思決定の経路と連絡窓口を整理し、買い手への紹介や照会は、秘密保持と開示の条件を合意した段階で進めます。
減収を仮定した対応を検討する
主要案件が終了した場合の売上・粗利、待機や再配置に必要な費用、固定費の残り方を整理します。再配置先は具体的な受注と本人の勤務条件を確認し、全員を別案件へ移せる前提を置きません。仮定した収支は実績と別に表示し、どの条件を変えると影響が変わるかを示します。
集中度の高い会社が最初に行う準備
主要派遣先の更新予定と依頼窓口を一覧にし、会社・グループ・拠点別の月次表へ結びつけます。次に担当者の代替体制と顧客との引継ぎ条件を確認します。顧客を急に増やすことだけを目標にせず、既存取引の根拠と対応力を示したうえで、他職種や拠点への展開は具体的な計画として検討します。
取引先集中の売却に関する質問
集中度が高ければ売却は困難ですか
比率だけでは決まりません。契約条件、収益、継続の根拠、代替体制、買い手との適合を確認して検討します。成約や価格を保証する数字ではありません。
主要派遣先へ先に売却を伝えますか
交渉段階と必要な確認事項に応じて、相手先・時期・内容を設計します。契約上の通知や承諾の要否は個別に確認し、一律の説明順序を決めないようにします。
相談時の費用
手数料負担は譲渡後に手元へ残る金額に影響します。当センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただかない設計としており、検討初期から相談しやすい体制を重視しています。

