派遣元管理台帳と個別契約の整備では、書類の冊数より、一人のスタッフの就業条件を同じ期間で追えることが重要です。契約、通知、勤怠、請求の差を把握できれば、買い手は契約更新の負担や引継ぎ後の対応を具体的に検討できます。書類がそろったことだけで企業価値が上がると判断せず、残る不一致と対応を示しましょう。
就業一件を基準に突合する
事業所、派遣先、就業場所、スタッフの匿名番号、対象期間を共通キーにします。個別契約の更新ごとに版を区別し、締結日と就業開始日を混ぜない台帳を作ります。保存場所が営業担当のメールだけに分散している場合は、最新版への参照先を一覧にします。
同じ派遣先でも職種や組織単位が異なることがあります。会社名だけでまとめず、実際の業務と担当窓口を確認し、期間制限や抵触日の管理を含む制度判断は派遣元責任者と所管の労働局へ確認します。
契約・台帳・請求を照合する表
まず直近の更新案件、単価を変更した案件、担当者が交代した案件を選びます。次の表へ根拠ファイルと確認者を記録すると、不一致の原因が契約更新、入力、締め日のどこにあるかを追えます。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選択して左右キーで確認できます。
| 照合する項目 | 根拠資料の組合せ | 差があったときの確認先 |
|---|---|---|
| 業務・場所・期間 | 個別契約/就業条件/台帳 | 営業担当と派遣元責任者 |
| 就業時間と休憩 | 契約/勤怠/給与計算 | 労務担当と就業先の窓口 |
| 請求単価と変更日 | 単価合意/請求明細/更新履歴 | 営業承認者と経理担当 |
| 更新・終了予定 | 通知期限/担当連絡先/更新記録 | 派遣先窓口と引継ぎ責任者 |
不一致を三種類に分けて処理する
署名済み原本が見つからない、変更内容が台帳へ反映されていない、実際の就業が記載と異なる、という問題を分けます。履歴を消して最新版だけを作ると経緯を説明できなくなるため、発見日、相手への確認状況、修正した版を残します。
遡って新しい契約書を作れば解決すると考えず、実際に合意した内容を資料から確認します。労務や契約上の問題を含む差は専門家へ回し、未解決のまま見込収益を確定扱いにしないようにします。
引継ぎ先が更新できる保存方法
契約更新の通知期限、派遣先の担当者、承認者、給与・請求へ連携する締め日を管理します。検索できる保管先、閲覧権限、退職者のアクセス終了も一覧へ記載します。個人名を開示する前に、買い手が確認する目的と閲覧者を決め、匿名一覧から説明できる範囲を整えます。
初回面談へ持参するもの
契約総数だけでなく、更新が近い案件、不一致が見つかった案件、原本確認が終わった案件の件数を示します。派遣先別の売上と契約一覧を結び、更新終了時の収益影響を営業・経理の双方で説明できるようにします。優先順位の高い案件から確認する計画を添えれば、買い手の追加調査の範囲も決めやすくなります。
台帳整備の質問
電子ファイルだけでも検討資料になりますか
形式だけで判断せず、署名や合意の証拠、変更履歴、検索性、保存義務への対応を確認します。個別の保存方法は所管資料と専門家へ照会してください。
不一致がある会社は売却できませんか
一律には決まりません。内容、影響範囲、是正方法、期限を明らかにして、交渉条件や引継ぎ計画へ反映する検討が必要です。
相談時の費用
手数料負担は譲渡後に手元へ残る金額に影響します。当センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただかない設計としており、検討初期から相談しやすい体制を重視しています。

