稼働スタッフ数と稼働率を企業価値の説明に使うときは、数え方、集計期間、必要人数を明確にします。登録者総数や月末の人数だけでは、人材供給がどの程度続くかを説明できません。買い手が自社の集計を再計算できる形で、人数と稼働時間の根拠をそろえましょう。
月末人数と期間中の人数を区別する
月末時点で稼働している人数、月に一日以上稼働した人数、期間中に新しく就業した人数は異なります。複数の派遣先で就業した同じ人を重複して数えるかどうかも定義します。登録者、雇用中の人、派遣就業中の人を別の集合として示すと、比較しやすくなります。
人数が増えた月は、就業時間や請求額も確認します。短時間勤務の比率が変わると人数の増加と売上の動きが一致しないことがあります。営業担当が示す人員一覧と給与・請求の対象がつながるかを照合しましょう。
稼働率を説明する定義表
社内で稼働率という名称を使っていても、雇用人数に対する就業人数と、受注した必要時間に対する実働時間では意味が違います。表のように分子・分母・期間・対象外を明記し、率だけを他社と比較しないようにします。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選択して左右キーで確認できます。
| 使う指標 | そろえる定義 | 確認する根拠 |
|---|---|---|
| 月末稼働人数 | 基準日、就業の範囲、重複処理 | 契約一覧と基準日の就業状況 |
| 期間中の実稼働人数 | 対象月、最小の稼働条件、個人単位 | 勤怠・請求の匿名スタッフ番号 |
| 人数ベースの社内稼働率 | 就業人数と対象の雇用人数 | 待機・休業等を含むかの定義 |
| 時間ベースの充足 | 実働時間と受注した必要時間 | 追加発注・欠勤・補充の記録 |
増減理由を区分して継続性を見る
新規受注、契約終了、本人の離職、勤務時間の変更、待機、休業などの理由で人数と時間の変動を説明します。案件終了後の再配置は、予定、本人確認済み、実際に開始したものを分けます。買い手には人員推移と派遣先の更新予定を並べて示します。
採用数が増えても初日の欠勤や短期離職が続く場合は、応募から就業開始、一定期間の在籍までを追います。採用費の対象期間もそろえ、増員のための費用と通常の補充費を区分します。
人数と採算を同じ対象で確認する
派遣先別・職種別に人数、実働時間、請求単価、支払賃金を整理します。全社平均が改善していても、主要案件で採算が下がっている場合があります。粗利の原価範囲を明記し、稼働率が上がれば必ず利益が増えるという説明を避けます。
面談に向けた最初の集計
直近の月次データを匿名のスタッフ番号でつなぎ、期間ごとの人数・時間・増減理由を作ります。営業・労務・経理で件数が一致しない場合は、締め日や除外条件から確認します。買い手へは集計表、定義書、根拠ファイルの対応を用意し、再計算に必要な開示条件を合意します。
稼働の評価に関する質問
登録者全員を将来稼働できる人数に含めますか
連絡確認、希望条件、直近の就業履歴を区分します。未確認の登録者を確定した供給力として扱わず、再確認作業を計画します。
高い稼働率だけで企業価値を説明できますか
単価、原価、更新予定、採用・定着、派遣先集中と併せて検討します。自社の率の定義と変動理由が説明できることが出発点です。
相談時の費用
手数料負担は譲渡後に手元へ残る金額に影響します。当センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただかない設計としており、検討初期から相談しやすい体制を重視しています。

